産業医通信 2023年10月号

  • 2023年10月6日
  • 2023年11月8日

毎月産業医の先生より旬の情報をお届けいたします

Contents

●ぎっくり腰と腰椎椎間板ヘルニア
●従業員への健康教育
●「考えすぎ」をやめる方法
●子宮筋腫について

ぎっくり腰と腰椎椎間板ヘルニア

ぎっくり腰は、腰に過度な負担が掛かり、筋肉や靭帯、関節などに必要以上にストレスが掛かることにより腰痛が現れるもので、正式には「急性腰痛症」と呼ばれています。
運動不足の人がなりやすいといわれており、デスクワークが中心の仕事で、長時間イスに座りっぱなしの人は、休憩時間に腰のストレッチを行うなどして腰を柔軟にしておくと予防につながります。また年齢を重ねるほど、ぎっくり腰になりやすくなります。
普段から適度な運動を心がけるとともに、重いものは無理して自分だけで運ぼうとしない、中腰姿勢をできるだけとらないなど、腰をいたわる必要があります。
腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎にあるクッションの役目をする椎間板の中にある、髄核という組織が外に飛び出し神経を圧迫することで痛みやしびれが現れる病気です。
痛みの場所は、ぎっくり腰の場合が腰の回りに限定されるのに対し、ヘルニアの場合は、腰から臀部、足にかけて痛みやしびれが出ることが多く、症状の期間は、ぎっくり腰なら数日間の安静で回復していくのに対し、ヘルニアでは、長期間持続、もしくは増悪していく特徴があります。
いずれにしても、自己判断で放置しておくことは危険で、専門医の診察を受けることをお勧めします。早期治療が大切となります。

本行Dr.

従業員への健康教育

職場における健康教育とは、生活習慣改善や行動変容を通して、労働者のより健康な状態を目指すもので、労働安全衛生法第69条において事業者の責務としても規定されています。

項目内容
健康診断
生活習慣がん対策
メタボリックシンドローム、健康診断結果の読み方、
がん検診の受け方、運動指導、食事指導、アルコール対策、
禁煙、快適な睡眠、睡眠時無呼吸症候群対策
対象別夜勤・交替制勤務者、母性健康管理、海外派遣労働者、
高齢者、新入社員
メンタルヘルスストレスマネジメント、リラクゼーション、
認知行動的アプローチ、職場のうつ
健康課題インフルエンザ・コロナ予防、熱中症の対策、食中毒、
AIDSの基礎知識、脂肪肝の話、ウイルス性肝炎の理解、
ロコモティブシンドローム、
正しい健康情報の見極め方~ヘルスリテラシーを高めよう~

多岐にわたるテーマが考えられ、その方法も集合教育、個別教育、オンライン、E-learningなどがあります。まず自社の健康上の問題点を健診結果などから分析、抽出し、適切なテーマや教育方法を考え、その結果を評価するなど、効率的な教育を行なうことが必要です。
また、教育やコミュニケーションの工夫だけで持続的な生活習慣改善と行動変容を期待することには限界があり、生活習慣を改善しやすい環境の整備も重視されるようになってきています。

橋本Dr.

「考えすぎ」をやめる方法

「考えすぎ」はメンタル不調との関連があると言われています。「会議終了後に自分の発言に関して一人反省会を延々としてしまう」「帰宅後に、同僚や上司の発言を思い出して考え続けてしまう」のような「考えすぎ」は、心理学で「反すう思考」といい、特に無意識にネガティブに考えこむことを「ブルーディング」と言います。
「ブルーディング」は、不安を強くし、気持ちを落ち込ませます。また睡眠や血圧など身体にも悪影響を与えます。「ブルーディング」は無意識に始まることが多いので、意識してやめることが大切です。「ブルーディング」に気付いたら、とにかく別のこと(作業)をして、注意を他のことに向けましょう。特に運動は、思い悩みにくくなる効果もあると言われています。また自然の中を歩くことも有効です。
「ブルーディング」を行うような人は、自分に厳しすぎる人が多いと言われているので、がんばりすぎて自分を追い込みすぎないようにしてください。また一人で抱えすぎず、早めに誰かに話して、相談することもとても大切です。

山本Dr.

子宮筋腫について

子宮筋腫は、子宮の筋層に発生する良性の腫瘍で、小さなものも含めると、30歳以上の女性の20-30%にみられます。卵巣から分泌される女性ホルモンによって大きくなり、閉経すると小さくなります。
おもな症状は、月経量が多くなることと月経痛です。月経量が多くなることにより貧血になることもあります。その他に月経時以外の出血、腰痛、頻尿、下腹部のしこり、不妊、習慣流産などがみられることがあります。
子宮の内側にできた筋腫は小さくても症状が強く、月経量が多くなります。一方で、子宮の外側にできた筋腫は大きくなっても症状がでない傾向があります。そのため、治療が必要かどうかもできた場所や症状によって異なります。
診断は婦人科診察と超音波検査で行います。大きな筋腫や手術を考える場合にはMRI検査をすることもあります。小さくて、無症状の場合は治療の必要はありません。治療方法には手術と薬があります。
子宮筋腫の発生原因や、予防方法はまだよく分かっていません。そのため、上記のような症状がないか日頃から気にかけていただき、定期的に婦人科の検診を受けるようにしましょう。

鹿島Dr.

産業医通信2023-10

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