産業医通信 2025年4月号

  • 2025年4月7日

毎月朋愛会より旬の情報をお届けいたします

Contents

●育児・介護休業法の改正について
●4月に注意が必要な感染症について
●腸活で花粉症対策

 

育児・介護休業法の改正について

2025年4月から育児・介護休業法の改正が段階的に施行されます。この改正は、男女問わず労働者が仕事と育児・介護を両立できるよう支援することを目的としています。
育児支援に関しては、看護休暇の取得要件が緩和され、より利用しやすい仕組みになります。また残業免除の対象が広がり、短時間勤務制度やフレックスタイム制度の拡充、テレワークの推進など、柔軟な働き方を選択できる環境整備が求められます。さらに、企業には育児支援制度を個別に周知し、従業員の意向を確認する義務が課されます。従業員のニーズを適切に把握し、配慮することが企業にとって重要な課題となるでしょう。
介護支援に関しても介護休暇の取得要件が緩和され、より柔軟に休暇を取得できるようになります。企業には、介護離職を防ぐために制度の説明を行い、従業員一人ひとりに対して個別に周知し、意向を確認する義務が発生します。また、介護と仕事の両立を支援するために、テレワークや短時間勤務の導入がさらに促進されます。
このような法改正に対応するため、企業は社内規程の見直しや情報提供の強化、従業員が相談しやすい環境の整備が求められます。

額田Dr.

  

4月に注意が必要な感染症について

多くの人が新しい環境に入る4月は、感染症にかかる可能性が高い時期でもあります。例年この時期には、麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・各々はしか・3日はしか・おたふく風邪の俗称で子どもにかかりやすい感染症として知られています。
ただこれらの感染症は体内に十分なウイルス抗体価をもたない、あるいは抵抗力の弱い成人にも罹患します。また成人の場合には、子どもに比べて重症化する場合もあります。麻疹の罹患により肺炎や脳炎、風疹の罹患により脳炎、妊娠初期の女性では胎児への深刻な影響が及ぶ可能性があります。流行性耳下腺炎により高熱や著しい耳下腺のはれ、男性では精巣の炎症による不妊症を合併することがあります。
これらの感染症に本人や家族が罹患した際には、周囲へ感染が拡大しないよう医療機関で相談するなど適切な行動をお願いします。
また冬に比べて少なくなりますが、インフルエンザの罹患も続きますので、引き続き感染予防効果のある手洗いやうがいの励行をお勧めします。
2025年4月厚生労働省により、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの急性の気道炎症状をきたす感染症が、急性呼吸器感染症として感染症法上の5類感染症に位置づけられます。
これまでと同様に、感染症の流行状況は自治体のホームページなどで報告されますのでご覧くださいませ。

松Dr.

  

腸活で花粉症対策

花粉症とは、花粉によって生じるアレルギー疾患の総称です。身体が花粉を異物であると判断することで、鼻水やくしゃみ・目のかゆみなどの症状が出ます。
体が異物から自分を守る仕組みのことを“免疫”といい、全身の免疫細胞の約7割が腸に存在しています。腸内環境を整えることは、免疫機能を高め花粉症などのアレルギー症状の緩和に効果的です。
腸内細菌は多様性が大切ですが、持っている腸内細菌には個人差があるため、様々な菌を腸に取り入れるには食事からも意識的に摂る必要があります。腸内細菌は善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類に分類され、日和見菌は多い菌に味方をするため、善玉菌を増やすことは腸内環境を整えるうえで重要です。
善玉菌を含む“発酵食品”や善玉菌のエサとなる“食物繊維”を摂ることを習慣化し、腸内環境を整え、免疫機能を高めましょう!

【善玉菌となり腸内環境を整える発酵食品】
ヨーグルト・チーズ・漬物・納豆など
【善玉菌のエサとなり善玉菌を増やす食物繊維】
海藻類・野菜・果物・豆類・穀物・きのこなど
【旬の食材】
アスパラガス・ごぼう・しいたけ・たけのこ・にら・キウイ・わかめ・ひじき・もずくなど

管理栄養士

   

産業医通信2025-04

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